鮎菓子 10-3
鮎菓子のルーツは、「調布」
京都、七條甘春堂さんの鮎菓子は、「若あゆ」 外の袋には「京若鮎」とあります。奈良、京都で見つけた鮎菓子の名前は、若鮎が多いように思いました。
さて、京若鮎の上に「調布菓」と書かれています。調布の和菓子という意味でしょう。実は、この「調布」にこそ、鮎菓子のルーツがあるようなのです。「調布」は岡山では有名なお菓子だそうです。カステラ風の生地で求肥をまいたものです。なんでも、江戸時代の終わり頃、京都御所近くで和菓子屋を営んでいた間野与平という職人さんが禁門の変で焼け出され、故郷の岡山に戻り調布という菓子を考案したそうです。「調布」とは古代の税制、租庸調の調に由来し、調として収めた布のことです。カステラ生地で求肥を包んだ形が、布を巻きつけたものに似ているということでしょう。
この「調布」という和菓子に鮎の顔をつけ形も鮎のようにしたものが作られ、「若鮎」という名前の和菓子となったようです。「若鮎」が岐阜では鵜飼にもつながり個性ある名前になったものだと思われます。あるいは、岐阜でできたものが京都へ広がり「若鮎」という名前になったのかもしれません。
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